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【2025/05/03 11:29 】 |
ヒット!
カラカラに乾いた白い砂

贅肉なのか筋肉なのか分からないが丸っこいピッチャーが下から速い球を次々にほうってくる。

僕は右のバッターバックスにたち、一球、一球、軽くバットを振ったりして、

ピッチャーのリズムに乗せられないように、警戒する。

ランナーは2塁でヒットを打てば恐らく点数が入るだろう。

ピッチャーは眼窩をすべてふさいだスポーツサングラスを七色に光らせて、

目や表情から気をうかがうことはできない。


少しでも弱気になれば、内野ゴロやフライで終わってしまいそうだ。

落ち着こうと、もう一度バッターボックスの砂を

スパイクで平坦にならす。

砂埃と白線の石灰が顔の高さまで舞い上がり、

舌が苦くなる



バットを高く天につきさし、青空を見上げた後、

再び肩越しにピッチャーの見えない目を探す。

ゆっくりと外角高めに入ってきた灰色のボール


僕はその玉を思い切り叩きつけた。


カキーンという音が高校球児を連想させて気恥ずかしかったが、

確かに玉足速くセンター前にヒットを打った。


僕は相手チームに一矢を報いる一点を稼ぎ出した


網野智世子 評価


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【2011/09/13 13:23 】 | 未選択
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